ザ・海外出張Hacks! 特集 Interview GOETHE特別編集 海外出張の達人に訊く! 第8回 俳優 西島秀俊さん

自分を客観的に見るために、海外へ飛ぶ

毎回、新しい現場で新しい芝居を求められる俳優の仕事では、できるだけ、視点を変えて物を見る力を持っていたい。物理的に自分の身体を遠いところに「持って行ってみる」と、自分のいまの状況を客観的に見ることができます。次にやりたい新しいことも見つかる。日常の場所からなるべく遠くに行くということは、僕にとってはすごく大事なことですね。 

なので、まとまった休みがいただけると、まずは海外行きのチケットを買いに行きます。国内にいると、観たい映画を観ることで100パーセント満足できる生活をしているんですよ(笑)。一週間や二週間なんて、あっという間に終わってしまう。だから、ちょっと無理矢理にでも、行き先を決めてチケットを買うんです。飛行機はほんとうに好きです。新しい世界へ行けることを感じて、出発空港に着いただけで胸が高鳴ります。

飛行機に乗ると、まずは眠ります。寝られるときに寝ておこうと思って。結果、食事のタイミングを逃すこともあります。そんなときに、機内食を温め直して出していただいたりすると、ものすごくありがたい。飛行機を降りたあとは大抵バタバタで、次、いつ食事がとれるかわかりませんから。

夜、機内で目を覚ますと、真っ暗な闇の中に、ときどき大きな街の灯りが見えてきます。その夜景を見るのが好きです。どこなんだろう? と思って地図を開くと、聞いたこともない地名がそこにある。そんなことをしていると、客室乗務員の方が「こちらから朝日が見えますよ」と教えてくれることも。暗いなか、こっそり移動して、朝日を探すのも楽しいですね。

移動を続け、国内外を感じ、伝えることが僕の役割

僕の仕事は、国内にしても海外にしても、ロケ撮影などで、毎日違うところに行くというのが基本。不思議な仕事だと思いますが、「移動」はベースにあるものなんですよね。毎日やることが違って、毎日いる場所が違う。だから、自分はそういう「移動を続ける」役割なのかな、と思っています。行ったことのない場所に積極的に身体を運んで、日本のよさを、微力ながら、自分なりに伝えることができるかもしれないと思っています。また、行ったその国のことも吸収して、こちらに持ち帰ってくることもできるかもしれない。

東京フィルメックス映画祭で出逢ったイランのアミール・ナデリ監督と映画『CUT』を作り、ヴェネチア国際映画祭へ招かれる機会をいただいたり。韓国のキム・テヒさんとドラマ『僕とスターの99日』で共演させていただいてるのも、そういう役割のひとつなのだと思っています。仕事での海外の方との出会いは、個人旅行の出会いとはまた違う、深い関係性が結べます。チャンスがあるかぎり、さまざまな形で、さまざまな土地へ足を運び続けたいです。

海外出張成功のための2箇条

ポイント1
次、いつ食事がとれるかどうかわからない。タイミングを逃しても、温め直してもらうなどして、機内食は食べておく
ポイント2
自分の「いま」と「これから」を見つめ直す時間として、海外行きを捉える

HIDETOSHI NISHIJIMA
1971年東京都出身。‘94年、『居酒屋ゆうれい』で映画デビュー。’99年、映画『ニンゲン合格』で主役を演じ、第9回日本映画プロフェッショナル大賞・主演男優賞を受賞する。その後も2005年、『帰郷』で第15回 日本映画プロフェッショナル大賞・主演男優賞、および第20回 高崎映画祭 最優秀主演男優賞受賞。'08年『休暇』では第30回ヨコハマ映画祭・助演男優賞を受賞するなど、活躍が続く。

『僕とスターの99日』
フジテレビ系10月23日(日)スタート
毎週日曜夜9時
出演:西島秀俊、キム・テヒほか

警備会社に勤める、もうすぐ40歳の並木航平(西島)と、彼が護衛することになった韓国の人気女優、ハン・ユナ(キム)。契約期間の99日間で、ボディーガードと大スターのふたりの距離はどう変化していくのか? 「いちばん近くて遠い恋」をテーマにした、切なくて笑えるラブファンタジック・コメディー。

『CUT』
12月17日(土)シネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国順次ロードショー
監督・脚本・編集:アミール・ナデリ
出演:西島秀俊、常盤貴子ほか

売れない映画監督の秀二(西島)は、兄の残した莫大な借金を返すため、殴られ屋をはじめる。何度殴られても、兄への後悔と映画への情熱が、彼を立ち上がらせる。熱狂的な映画ファンである西島氏をイメージして、ナデリ監督は秀二という役柄を作り上げた。そのふたりの情熱は、第68回ヴェネチア国際映画祭のオリゾンティ・コンペティション部門オープニング作品としてワールドプレミア上映され、10分間に及ぶスタンディングオベーションで熱狂的に迎えられた。

TEXT=相田冬二 PHOTOGRAPH=柳内 悠
Styling=カワサキタカフミ (MILD) Hair&Make-Up=亀田 雅衣装協力:デザインワークス

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