ザ・海外出張Hacks! 特集 Interview GOETHE特別編集 海外出張の達人に訊く! 第2回指揮者 大植英次さん

旅先で巡り会った指揮棒ケース

私は現在、3カ国で音楽監督、名誉指揮者として活動しています。ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団、バルセロナ交響楽団。住まいの拠点はドイツにおいていますから、スター アライアンスに加盟している航空会社としては、ルフトハンザ・ドイツ航空を利用する機会が必然的に多くなりますね。

音楽家が飛行機に乗るにあたっては、さぞや神経質なのではとご想像の方もいらっしゃるかもしれません。たしかに実際に楽器を演奏するメンバーにはそういうタイプも少なくありません。ある高名なヴァイオリニストは自分の座席だけではなく、ケースに収めた愛器のために1席分買い求めたりしています。

では、指揮者である私はといえば……、それに比べれば随分気楽に映ることでしょう。以前は特注の指揮棒ケースを作って運んでいたのですが、やたらと金具の多い造りでありましたから、手荷物にすると必ず引っかかりました。それで何か別のケースはないものか旅の先々で探し歩いたところ、マドリッドの店先で革製のネクタイケースを見つけました。指揮棒というのはおおよそ340mmの長さが基本ですが、なんとそれにぴったり合うサイズだったのです。求むるところに泉あり、です。以来、もっぱらその中に5,6本の指揮棒を入れて移動します。そのケースを見つけたマドリッドの旅の時はスパンエアーでした。スター アライアンスの航空会社には何かと恩恵を受けていると感じますね。

私を待っている街へ、スター アライアンスと共に。

機上の人となる際には、身体を締め付けるような服装は避けています。ロングフライトですから、機内ではできるだけリラックスできるように。金属チェックもスムーズに通れるよう、ベルトも金具のバックルなし、カフスやネックレス、もちろん身に着けず、靴もできるだけ底の薄いものを履いて乗ります。これは私なりのルールですかね。飛行機に乗ることが日常化していますから、速やかにゲートを通過できるように心がけているんです。ラウンジでは各国の新聞数紙に目を通します。その空間にフライトのアナウンスが流れる。その都度、旅心が刺激されるようで心地いいですよ。

機内は貴重な勉強の時間です。快適なシートに身を任せ、頼めば速やかに飲み物を運んでもらえて、気分転換には音楽チャンネルに耳を傾けたり、DVDを観たり。

そのうちに機長からのフライト状況が落ち着いた口調でアナウンスされます。指揮者が交響楽団全体のリーダー、責任者であるように、飛行機では機長が絶対の存在です。スター アライアンスメンバーの機内で、私は安心しきっています。そのうちに私はいつの間にかウトウトとする。私を待っている街へ、この飛行機が運んでくれる。これからも私はスター アライアンスの飛行機で世界中を飛び回ることになるでしょう。私にとって不可欠なパートナーですね。

海外出張成功のための2箇条

ポイント1
求むるところに泉ありと信じること。
ポイント2
速やかにゲート通過できる服装で向かう。

EIJI OUE
広島県生まれ。桐朋学園、ニューイングランド音楽院に学ぶ。タングルウッド音楽祭で恩師レナード・バーンスタインと出会い、世界各地の公演に同行。現在はハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団の終身名誉指揮者であると同時に、ハノーファー音楽大学の終身正教授も務めている。その他、大阪フィルハーモニー交響楽団、バルセロナ交響楽団の音楽監督の任にもある。それらのチケットはプラチナペーパーと呼ばれるほどの人気を示している。

Text=大森翼 Photograph=矢幡英文

「24時間仕事バカ!」はファッションも謳歌する WEBGOETHE[ウェブゲーテ]


ページTOPへ